しばさき彩ステーション

 

多世代でつくる、みんなの居場所

しばさき彩ステーション

しばさき彩ステーションは、地域の人たちの居場所として2019年夏にオープンしました。場所は柴崎駅の北側、甲州街道を渡った先にある深大寺通り商店街の一角。隣接する西田医院院長・西田伸一先生の発案により、高齢者や地域の人たちが気軽に立ち寄れるコミュニティースペースとして開設し、今では赤ちゃんからシニアまでが利用する多世代交流の場となっています。

しばさき彩ステーション

誰でも利用できる、地域の居場所

佐須街道に面したスペースはカフェタイムやイベントで使う主な活動場所。奥には調理やちょっとした料理教室ができるキッチンやダイニングもあります。オープン時間は月~金曜日の10時から16時まで。コーヒーを飲んでおしゃべりするもよし、健康体操や勉強会、ワークショップやイベントに参加するもよし。感染症対策を講じながら週に1回、予約制のランチ提供(※)も行っています。
※保健所による飲食店営業許可を得ています。

しばさき彩ステーション
通りに面した明るい室内。カフェやイベント会場に。
しばさき彩ステーション
季節の飾り付けが目を楽しませてくれます。
しばさき彩ステーション
畳の部屋には絵本やおもちゃも。

みんなで企画してイベントを開催

しばさき彩ステーションの多彩な活動を支えているのは「サポーター」と呼ばれるボランティアの人たち。「地域の一員として何かしたい」「誰かの役に立ちたい」と集まったサポーターさんが協力して、毎月さまざまな催しが開かれています。一体どのような体制で運営しているのでしょう?

取材でお邪魔したのは「ガレージセール」の日。扉を開け放ったスペースに地域の方が持ち寄った品々が並び、近所の方や通りかかった人が足を止め楽しそうに商品を見ています。感染症対策をしっかり行いながら、代わる代わる訪れるお客さんとサポーターさんがつかの間の会話を楽しんでいました。通りを挟んだ向かい側に用意されたテーブルには、ガレージセールの様子を眺めながら一息つくシニアの方々。まさに憩いの場です。

しばさき彩ステーション「ガレージセール」

地域の方が持ち寄った品々

地域の方が持ち寄った品々

しばさき彩ステーション

 

サポーターの皆さんにお話を伺うと、異口同音に「ここで活動することが楽しい!」と笑顔を輝かせていました。中には大学生や日本語を勉強中の外国出身の方も。多様な人たちが生き生きと活動し、さりげない声がけや気づかいによって訪れた人を孤立させない温かな雰囲気。地域にこのような場所があるのはとても心強いことです。

つかの間の会話を楽しんでいました

しばさき彩ステーションサポーターの皆さん。
サポーターの皆さん。マスクをしていても笑顔がすてき!

地域に飛び込んで一緒に考える

しばさき彩ステーション副代表の大木智恵子さんにお話を伺いました。大木さんは地域包括支援センターやグループホームで長年にわたり認知症問題や高齢者福祉に携わってきた専門職。地域の課題やニーズを知るために地域に飛び込み、つながり作りをしながら自身もサポーターの一員として日々駆け回っています。

「毎日来ていたご近所さんが来なくなったら、電話したりお宅まで様子を見に行ったりすることもあります」と大木さん。コロナ禍でますます閉塞的な世の中だからこそ、人と人とのつながりを大切に、「孤立を防ぐ取り組みを細々とでも途切れさせないこと」を最優先にしているそう。

そのためにも、しばさき彩ステーションではマスク着用や換気・消毒、参加人数の制限や内容の工夫など、できるかぎりの対策を行い活動を続けているのです。

しばさき彩ステーション副代表の大木智恵子さん。
とてもエネルギッシュ! 副代表の大木智恵子さん。写真撮影時のみマスクを外していただきました。

開催されるイベントは多岐にわたります。たとえば体操や趣味の講座のほか、毎月開催されるイベントの1つ「オレンジカフェ(認知症カフェ)」では、認知症の当事者やその家族の方が自身の経験を語ったり、情報交換を行ったりしています。「ここに来る人たちの声を聞き、そのときにできることをやっていたら、自然と今のような形になりました(笑)。みなさんのおかげです!」(大木さん)

大木さんの明るく元気なお人柄も、しばさき彩ステーションに多くの人たちが集う理由なのかもしれないと感じました。

しばさき彩ステーションしばさき彩ステーションに多くの人たちが集う
「どうもありがとう、また来るよ」「はい、待っていますね」

自分にできることは何か

「これからも地域の人たちと一緒に考えながら、できることを1つずつ積み重ねていきたいです」と大木さん。ここでは高齢者も子育て世代も、外国籍の人も若者も、介護をしている人も障がいのある人も、誰もが「自分にできることは何か」と考えながら自主的に活動しています。

たとえば掃除ひとつとってみても、当番を決めなくてもいつもピカピカ。初めは悩みを抱えてカフェに来ていた人が、いつの間にかサポーターとなりお茶を出す側にまわっていたというケースも珍しくないそう。ここは「人と関わることで、やりたいことやできることに気づく」場所でもあるのです。

まずは気軽に立ち寄って

しばさき彩ステーションに来るきっかけは人それぞれ。偶然通りかかった人、隣の診療所の患者さんやその家族、最近ではSNSで知って来てみたという人も。いちど訪れた人が、次に来るときには誰かを誘って連れてくることも多いそうです。サポーターさんも「楽しくて、いつの間にかサポーターになっていました!」という方ばかり。人と人とのつながりが次々と生まれ、活動の幅もどんどん広がっています。

誰もが参加できる、みんなでつくる、みんなの居場所。まずは気軽に立ち寄ってみませんか。

しばさき彩ステーション入口

取材・執筆:コサイト編集部(NPO法人ちょうふ子育てネットワーク・ちょこネット
撮影:赤石雅紀

しばさき彩ステーション紹介動画

しばさき彩ステーション

 

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